「SAYURI」

vamosmoro2006-01-12

原題は、「Memoirs of a Geisha」。いつもカッコいい原題にクサ〜い邦題(ちなみに「愛」とついている作品はこちら。笑)が付いてることが多いですが、この映画に関してだけは、邦題の方がいいと思います。「愛と哀しみのある芸者の回顧録」にならなくてよかった!(笑)。
「SAYURI」

昨日時間があったので、ちょっと気になってた「SAYURI」を見に行きました。最近は、インターネットで自宅からチケットを買い映画館のロビーで自分で発券する(決済はカード)というシステムがあり、始めて使ってみたのだが、中々便利でした。

さて、映画の方は、2時間26分を長いと感じさせない映画でした。監督は「シカゴ」のロブ・マーシャルで、製作がスティーブン・ジェラードならぬスピルバーグ。音楽が、ジョン・ウィリアムズで、スターウォーズのテーマみたいな(爆)和太鼓や尺八を大音量で使った派手な音楽(笑)。もうちょっと抑えた音楽でも私はいいですよ(誰も聞いてないが)って感じもちょっとしました。その上、バイオリンやチェロが泣きの旋律を奏でるのですが、バイオリンがパールマン、チェロがヨーヨーマ・・・2人も巨匠を呼んじゃってました。

で内容はというより配役は、日本(祇園と思われる)を舞台にした芸者の映画なのに、チャン・ツィイー(中国)が主人公で、脇を固める芸者「初桃」がコン・リー(中国)、「豆葉」がアレーシア人のミッシェル・ヨーと主な三人に日本人がいない(男優は渡辺謙役所広司がいます。舞の海もでるよ)。その辺で、日本人を使って欲しかった、という意見をかなり見るのですが、パンフレットを見ると、日本でオーディションを思いっきりしたけど該当者がいなかったとのこと。実際、チャン・ツィイーの役をできる日本の女優、全く思いつかない。だって、日本の映画やドラマって、実力よりアイドルって感じだもんねぇ。世界に通用する人、育ってるのかなぁ?私は、チャン・ツィイーもミッシェル・ヨーも好きなんで、うれしかったっです。この2人は、「グリーン・デスティニー」でも一緒に出てましたが。

で、置屋の女将として桃井かおりが出てるのですが、やっぱり実力があるから、選ばれたんでしょう。存在感、ありました!でも、「ビューティー・バトルには参加しないでくれ」と監督に言われたらしいです(笑)。で、一番よかったのは、チャン・ツィイーの子供時代を演じた、日本人の子役、大後寿々花(おおごすずか)ちゃん。とってもかわいく、演技もうまかったです。「北の千年」で渡辺謙と共演し、感動した謙さんが推薦したとか、書いてありました。

私は、ハリウッドが作った日本を舞台の映画として5点満点で4点つけちゃいますが、ヤフーの採点とか見ると1・2点の人も多い。で、そんな人は、ほぼ、「配役の違和感が大きすぎ」「芸者を何故,外国人にやらせるのか」「日本文化へのリスペクトが微塵も感じられない」「西洋人は繊細さがわからない」等の感想・・・。どうなん?あんたら、これが日本映画だったら、見に行った?って聞きたいです(笑)。内容よりも外国映画が日本をどう描いたか、という点に重きを置き見た人たちが、批判されてるような気がします。私は、いくら着物を右前に着ていても(これを指摘する人も多いが)監督の日本文化へのリスペクトを感じたし、美しい映像で日本を描いてくれていると思いました。

だいたいハリウッド映画では、俳優が何人か?なんて、関係ないんじゃないかなぁ。ブリジット・ジョーンズのレニーだってアメリカ人なのにイギリス人の役やってるじゃん。実力のある人が主役となってるだけで、嘆くべくは、主役を張れる日本人女優がいなかった・・・と言うことの方では。スピルバーグが映画化の版権をもってると思うのですが、できるなら日本人スタッフが日本人を使ってリメークしてみれば、全く違ったものができて、面白いのではと思いました。

あと、貧乏→置屋に身売り→いじめや苦労→売れっ子芸者・・・というベタなストーリーは全然かまわないのですが(笑)、ちょっと気になったのが、借金の「かた」に芸者にならされ、「こんなんじゃない、私の人生がほしいの!」状態で戦争まできたのが、戦争が終わって自由になれるのに、もう一度芸者になる意味がイマイチ映画を見ているとわからなかった。好きでやるという感じでもなかったし・・・。外人さんにも理解できないのでは?とちょっと思いました。原作読んでないんで、読んでみたいです(でも、先に原作読んでると、ちょっとガックリするかもね。笑)